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はるちゃん、レスキュー隊に救出される

 いつものように駅のほうへ歩いて、お母さんには、岩戸山の登山口から引き返してもらい、私とはるちゃんは岩戸山に向かうはずだった。
 登り始めたところではるちゃんを離したら、はるちゃんが排水口の中に入って行ってしまった。
呼んでも戻ってこない。
 本当にもう。何しているんだか。
というわけで、排水口の土管の入り口にエサをおいて、「戻っておいで」って声をかけた。
ところが、なかなか戻ってこない。
P1020710-001.jpg

この土管、確かに急だけど、崖だってすいすい登るはるちゃんに登れないとは思えなかった。
でも、「はるちゃん」って呼んだら、上がろうと焦っている音と、キューキューいう情けない声が聞こえてきた。
えっ、上がってこれないんだ。

ええーちょっとカンベンだよ。

この土管は人が潜れる太さじゃない。
はるちゃんが自力で上がって来れないとしたら、どうしたらいいんだ。

そうだ。排水口だから、下に出口があるはずだ。
下から呼べば、いいんだ。

というわけで、坂の下を探したけれど、坂下の側溝は泥に埋まり、どこが出口だかわからない。

出口が泥に埋まっていたら、出られない。
これは、私だけでは何ともならないし、道具も必要だ。
だか、あいにくと携帯を持っていなかった。

それで近所の公民館に走り、電話を借りるついでに、事情を話したら、窓口の人が懐中電灯を持って、いっしょに来てくれた。

懐中電灯で入り口から照らしても、土管は相当深いらしく、光が届かない。
近くのもの置き場から、ロープを借りて、それに懐中電灯を結んで、垂らしてみても、それでも見えない。

窓口のSさんは、うーんとうなり、「これは素人の手には負えない。警察かなあ。いや消防かな。」と言いながら、その場で各所に連絡をしてくれた。

そして、「消防のレスキュー隊が来てくれるって。彼らはプロだから、何とかしてくれるよ。」

はるちゃんにレスキュー隊? 申し訳なさすぎ。
私には大事なはるちゃんだけど、他の人から見たら、ただの犬なのに。

それから、30分以内に、本当にレスキュー隊が到着した。

若い、すごい馬力の隊員の力でも、シノタケの根の絡んだ側溝の終点の升を堀あげて、そこに繋がる土管を確認するまでに、1時間以上かかった。
P1020706.jpg

はるちゃんが落ちた土管は、途中で曲がって、側溝から伸びる土管とつながっているらしいが、側溝付近の土管は叩いた時の音からしても、中に泥が詰まっているようだった。

そうこうしている内に、レスキュー隊が持ってきた強力なライトのおかげではるちゃんの位置が確認できた。
はるちゃんは土管の曲がり角付近でちょろちょろしているらしい。

埋まっている泥を取るより、はるちゃんがいる付近の土管をダイヤモンドカッターで切って、救出することになった。
そして、窓口のSさんが土管が埋まっている土地と土管の管理部門に連絡を取ってくれて、土管に穴をあけてもいいという許可をもらってくれた。

それから、はるちゃんがいる付近の土管の上の地面を掘って、土管を出した。それにも1時間近くかかった。

上の入り口から強力ライトで照らして、切る位置にはるちゃんがいないのを確かめ、カッターで穴をあけた。
ヒトの頭は入らないけれど、はるちゃんの頭なら楽々入るような穴が30分くらいであいた。

まだ穴が開かないうちから、情けなさそうだったはるちゃんの声が少し活気づいた。
こちらがこれで助けられそうだという確信を持ったことがはるちゃんにも伝わったようだった。

カッターの音でびくついて、さらに奥に入り込んだはるちゃんをレスキュー隊員が穴から呼んでくれたけれど、ビビッて出てこない。
そこで私が穴からはるちゃんのほうへ手を差し込んで、声を枯らして呼んだ。
中でごそごそ音がしている。滑る音もする。はるちゃんが近づいてくるようだった。
すごく長く感じたけれど、あっという間だったのかもしれない。

はるちゃんの鼻先が私の手に触れ、やがて首筋のハーネスに手が届いた。

やったー。

ハーネスをつかんで引っ張り上げるとはるちゃんの頭が穴から見え、みんなの歓声を浴びながら、はるちゃんが穴から出てきた。
土管に落ちてから5時間、レスキュー隊が到着してからだって、3時間が経過していた。

助かった。
力を貸してくださった皆さん本当にありがとう。

はるちゃんはケガ一つしないで救出されました。

ただそこまではるちゃんをつないできたはずのリードが、騒ぎの最中になくなって、ついに出てこなかった。
何処に行ってしまったんだろう。
しかたがないので、もの置き場のひもを拝借してはるちゃんをつないで帰った。

はるちゃんはケロっとしてる。
ただ私が本当にお前はダメダメだというと、褒められているとは思えないらしく、でもなぜ怒られているのかもわからないらしく、きょとんとしている。
P1020718.jpg

きょとんとしているはるちゃんでした。







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コメント

No title

はるちゃん無事救出!ほんとよかった。
きょとんとしたはるちゃん、可愛いです。
元気なはるちゃんは癒されますよねえ!(^^)!

No title

merfarさん ありがとうございます。
神奈川県は、動物愛護が徹底していて、レスキューを派遣する方針なんだそうです。本当に助かりました。派遣しないところも多いんだそうで、運が良かったです。

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プロフィール

うりこ

Author:うりこ
トカイナカ暮らし15年。
ちょっと広めの家庭菜園を耕しています。
休日は母とわんこのはるちゃんと近所の山を徘徊しているか、畑を耕しています。
定年になったら、もう少し規模を広げて菜園というより農園をやりたいですね。ここでもいいけど、できたらもう少し暖かいところで。

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